僕はプロ棋士になってすでに30年以上が経ちます。
僕がプロを目指して必死に勉強をしていた頃は、当然今のようにインターネットでプロの対局を見られる時代ではなかったので
分厚い対局集を片手に、棋譜並べに没頭する毎日でした。
本因坊道策先生、本因坊丈和先生、本因坊秀策先生、呉清源先生、坂田栄男先生など、他にも多くの先人達が残してくださった棋譜は、囲碁の美しさと壮大な魅力に溢れています。
それらの棋譜を並べている時、僕は勉強をしているという感覚ではなく、本当に楽しく、夢中になっていました。
無限に広がっていく囲碁の世界を、体感する喜びであったかもしれません。
僕の勉強法は一度に棋風の違う棋士の研究はせず、ひとりの棋士にしぼり、ひたすら並べるスタイルでした。
棋譜を覚えた後は、自分自身が道策先生や、丈和先生になり切って、目の前に相手がいるつもりで碁盤で打ってみます。
ひとりの棋士に絞る事によって、その人の感性を受け継ぐことができるような気がします。
現代は溢れんばかりの棋譜があり、情報が多すぎて、何を勉強したらわからないこともあると思います。
そういった時は好きな棋士を見つけ、その人の碁をとことん見てみるというのも面白いと思います。
僕は今でも先人の棋譜を並べ、研究を続けていますが、現代の棋譜の中にも、非常に心に残るものが存在します。
僕自身が対局した中でも、何年、何十年経っても忘れられない棋譜、そして驚異の一手があります。
その場面に焦点を当てて、僕の感性で詳細解説していきます。
第一回目は、第35期棋聖戦挑戦者決定リーグで当時の井山裕太名人との対局です。
井山名人から最新型AIでも見つけられない、驚異の一手を放たれ、壮絶な戦いになりました。是非ご覧ください。
#囲碁 #柳時熏 #柳時熏のGo #柳時熏のGLOBAL囲碁解説 #囲碁棋士