今回はカカリに対するハサミについてです。
三々に入られると、隅の実利は明け渡す事になりますが、
その代わりに辺の主導権を握っていこうというのがハサミの基本的な考え方です。
ハサミも6種類もの手があるので、それぞれ性格はかなり違います。
まずは一間低いハサミから。
昔から今までも愛用されている一間低いハサミです。
白は3と入っていって以下、11まで隅の実利を確保しながら、安定した綺麗な姿を得る事になりました。
黒は8,10と渡った形が非常に強く、上辺での発言力を得る事が出来ます。
かなり昔からよく打たれている定石ですが、最新のAIも好む形です。
7,9を決めてから11と打つ石の流れをつかみとってください。
白の打ち方は、黒のどのハサミに対しても有効ですので、身に付けたい定石です。
一間高ハサミもよく打たれています。
白は一回飛び出してから、5,7と連続で桂馬に打つのが、自身の安定を図る為に大事な手です。
あんまり早い段階で二線に石が向かうのはよくないとされていますが、
この場合、②の位置が少し甘くなっているので、双方バランスの取れた形と言えます。
黒も8まで右辺に安定した実利を得る事が出来ます。
一間高ハサミに対して、三々入り以外に今までよく打たれた定石です。
二間低いハサミに対する白の打ち方ですが、三々入り以外にも、両カカリも考えられます。3,5と三々入りのタイミングを少しずらして打つ手も、よく打たれます。
白は隅の実利を得て、1の石もまだ取られていないので、プロの実戦でもよく打たれる定石です。
どちらかと言えば、二間低いハサミよりも、多く打たれてきたのが二間高ハサミです。
三々入り以外では、このような形もよく打たれてきています。
5と一回打ってから三々に入って、白は先手で隅の実利を得る事が出来ます。
黒は10と手を入れ、1,5を取り込んだ形が中央に向けて非常に厚く、双方不満ありません。
今までよく打たれてきた定石です。
三間低いハサミはハサミの中では打たれている数は少ないと思いますが、たまに打たれます。
白が三々に入ってきた時は、10,12と手をかけて白の隅の実利対黒の辺の厚みのバランスが取れているんで、定石として長きに渡って愛用されてきました。
この形は、三間高ハサミでも応用出来ます。
ただ、この形に関しては、最近は受け方が変わってきました。
次に紹介します。
10と打つ手が最近打たれています。
10,12と同じ手をかけるなら、前回の図よりこちらの方が味が良くしっかりしているという事で、現在では常識となってきています。
三間高ハサミはハサミというには大らかな手ですが、昔から愛用されています。
三々入りも有力ですが、広いハサミに対しては、両カカリの方がより多く打たれていると思います。
黒は4,6とこちらにツケノビて、7の三々に対しては、8,10とこちらを切っておくのが厚いです。今でも打たれている定石です。
以下、星に桂馬カカリした手に対してはさむ手の、覚えやすい定石を厳選してみました。
打つ手の幅が広く、難しい変化も多いので、カカリに対し受ける手に比べて、上級者向けと言えると思います。
碁盤に並べながら、正しい石の姿を身に付けるのに、参考にしてみてください。
今回の変化の中から、また改めて詳細解説させていただく定石もあると思いますのでお楽しみに。
また今回の定石に関して何かわからない事がありましたら、お問い合わせフォームにて質問を受け付けます。ご質問の中から選んだものを、ブログ、youtubeにて追って解説したいと思います。(すべてに返答できない可能性がありますが、ご了承ください。)
どうぞよろしくお願いいたします。