囲碁棋士 柳時熏のブログ

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柳時熏のGo

柳時熏のGo 坂田栄男二十三世本因坊

先日の本因坊戦第一局は、井山本因坊が大きい捨て石を成功させ、勝利しました。 いかにも井山さんらしい豪快な勝ち方でしたね。 敗れた芝野名人ですが、二局目はどう立て直してくるのか、楽しみですね。 両雄の今後の戦いから目が離せません。 昭和の時代で…

柳時熏のGo 野外で囲碁講座

緊急事態宣言が解除され、囲碁の試合も6月から再開されることになりました。 囲碁界や、皆さんの生活が、また活気あふれるものになれば良いなと思います。 僕にとってもこんなに長いお休みは、棋士になって以来初めてのことでしたが、 余った時間とエネルギ…

囲碁とネット配信③(大盤製作記)

テレビの囲碁番組では、対局を真上から映しながら、両対局者の表情を取りつつ、別の部屋で解説者と聞き手が、磁石大盤を使い解説していくスタイルでの収録になっています。 テレビカメラが複数でスタッフも大勢居るので、観やすい放送が出来ますが 個人で配…

柳時熏のGo  個性豊かな大棋士達

僕が囲碁を覚えてプロを目指した中学生の頃、日本の碁は、世界最強でした。院生になった頃から、囲碁年鑑でトッププロの対局をすべて並べていましたが、とにかく個性豊かな棋士がたくさん居ました。 坂田栄男、藤沢秀行、林海峰、大竹英雄、石田芳夫、武宮正…

柳時熏のGo (隅の打ち方マスター6)星編 ダイレクト三々

グーグル社が開発した囲碁AIアルファGOが、韓国のトッププロ棋士李世ドル九段と対局したのは2015年のことです。 その後中国の柯潔九段という世界最強の棋士に勝利をあげたアルファGOは人間との勝負は引退することを宣言し、AI同士で行われた強化学習の棋譜を…

柳時熏のGo 誰でも楽しめるニコちゃんレベル8超大作

2月に始めたTwitterで、ぼくのフォロワーさん(僕が投稿すると見てくれる方達)が楽しんでくれるようにと始めたのがニコちゃん問題です。 ニコちゃん問題は普通の詰碁と違って、取る石(ニコちゃん)があらかじめ決まっているので​目的が明確で、楽しく取り…

柳時熏のGo 棋譜並べ

僕はプロ棋士になってすでに30年以上が経ちます。 僕がプロを目指して必死に勉強をしていた頃は、当然今のようにインターネットでプロの対局を見られる時代ではなかったので 分厚い対局集を片手に、棋譜並べに没頭する毎日でした。 本因坊道策先生、本因坊丈…

柳時熏のGo 囲碁とネット配信(2)

アルファGoを開発した、DeepMindという企業は、アメリカの巨大IT企業Google社の子会社です。 2016年、アルファ碁が韓国のイセドル九段に勝利した時は、大変な衝撃を受けました。囲碁の歴史に未知なる世界を切り開いてくれたGoogle社には、とても敬意を払って…

柳時熏のGo 囲碁とネット配信(1)

囲碁とネット配信(1) 僕は3月からTwitterとブログを始めて、その後youtubeも投稿を開始しました。 それまでFacebookは使っていましたが、外国に住む家族や、身近な人との交流を目的としたものでした。 僕にとってSNSはプライバシー重視で、多数の方との交…

柳時熏のGo (隅の打ち方マスター5)星編3

今回はカカリに対するハサミについてです。 三々に入られると、隅の実利は明け渡す事になりますが、 その代わりに辺の主導権を握っていこうというのがハサミの基本的な考え方です。 ハサミも6種類もの手があるので、それぞれ性格はかなり違います。 まずは一…

柳時熏のGo(隅の打ち方マスター4)星編2

星編2 桂馬カカリに対する一番人気がある打ち方として、桂馬受けがあります。 変化がシンプルで、バランスが良いのでおすすめです。 今まで一番よく打たれているのがこの定石です。 桂馬受けに対する基本定石 白の⑤というヒラキの位置が大事です。 三線にあ…

柳時熏のGo(隅の打ち方マスター3)星編1

星編1 星は印が付いている場所という意味で名前が付いているのでしょう。現代で一番よく打たれる隅への着手です。 何百年もの長い日本囲碁の歴史からすると、初手に星が打たれている歴史は意外に浅いです。 それまでの何百年間、小目、目外し、高目という三…

柳時熏のGo 読みの力を鍛える

昨日は、本因坊戦挑戦者決定リーグの最終戦が行われました。芝野名人と許家元八段が挑戦者決定戦を戦う事になっています。とても注目の一番です。 勝つ人と負ける人は何が違うのかと誰でも疑問に思いますよね。 僕はあるレベルにまで行ったら碁とは読みの力…

柳時熏のGo(隅の打ち方マスター2)三々編

三々編 三々は、隅に打たれる手の中で、一番端に近い着手です。実利を得る意味では非常に有力で、定石も簡潔です。変化が一番覚えやすいという事で一番に取り上げました。 三々を愛用していた棋士として僕には、坂田栄男名誉本因坊が真っ先に浮かびます。年…

柳時熏のGo(マウスから碁石へ)

僕は勉強したい対局がある時、必ず碁盤に碁石を並べます。棋士でもパソコンだけで碁を並べる人もいますが、僕は本物の碁石を持って並べる方が、より理解ができるような気がします。 実際、脳に詳しい方からお話を聞いた事がありますが、指先には凄い数の神経…

柳時熏のGo(隅の打ち方マスター1)

将棋やチェスは相手の王将、キングを先に取った方が勝利します。 囲碁の場合は自分の石で囲った、地の広さを競います。 将棋やチェスの駒のように、それぞれのキャラクターはなく、すべての石は打ち手の考え方次第で自由な役割を果たします。この、石の役割…