囲碁棋士 柳時熏のブログ

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柳時熏のGo(隅の打ち方マスター2)三々編


三々編

三々は、隅に打たれる手の中で、一番端に近い着手です。
実利を得る意味では非常に有力で、定石も簡潔です。
変化が一番覚えやすいという事で一番に取り上げました。

三々を愛用していた棋士として僕には、坂田栄男名誉本因坊が真っ先に浮かびます。
年間成績30勝2敗、七冠王、トータル獲得タイトル64回という数々の大記録をお持ちの坂田先生は「カミソリ坂田」というニックネームどおり
切れ味鋭い華麗な碁風は僕の憧れでした。

三々を打つと実利にはカラい半面、碁が薄くなってしまう事が弱点ではあると思いますが、坂田先生は,それらを超越した大棋士でしたね。

三々の定石はシンプルで覚えやすいものが多いと思いますので、皆さん是非お試しください。

 石の番号が見づらくてすみません。改善していきます💦

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三々に対する1のカタツキは非常に有力な手です。以下黒の実利、白の外回りという分かれです。

 

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白は5とこちらに押さえる手も有力です。プロではこちらの方が好まれています。

 

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黒が4と打つ手もあります。以下黒の実利対白の外回りという分かれです。

 

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一間カカリには一間に受ける手が普通です。3まで簡明な定石です。

 

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黒が2と高く受ける手も有力です。4まで一手かけてバランスの良い地を作れます。

 

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白が二間低く打つ手もよく打たれる定石です。黒は二間に受けて3までと簡明な定石です。

 

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白は3,5と打ってから7と広く打つ手もあります。単に二間に打つ前の図より躍動感がります。

 

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黒は2と高く受けて、4と一手かけておくのも有力です。

 

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白が1と大桂馬にかかる手もよく打たれる手です。黒が2と低く受ければ、3までひらいておきます。短手数ながら昔からよく打たれている形です。

 

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白の1に対し、黒は2と受ける手もあります。白は3,5を決めてから7とひらいて、黒は8まで。お互いに良い形が出来ました。

 

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白は3と打つ手もあります。黒は4くらいです。(手を抜くとどういう手があるか考えてみてください)白5までの形になります。

 

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白は1と高くかかる手もあります。黒に実利は与えますが、自分の模様も作りやすい形です。

 

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白は、3,7と打ち9まで広く構える事も考えられます。黒に実利は与えますが、白の模様も大きいです。

 

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白はカタツキから一間に飛ぶ手も有力で、AIが好む打ち方です。三々定石の中では一番難しい変化なので動画で解説いたします。

 

三々の定石は、ここまであげたものが基本となります。

石の正しい姿を覚えるのに簡単な定石をいっぱい覚えておくのは大事ですので

碁盤に実際に並べてみる事をお勧めします。

基本な形をたくさん覚えておくと、色々な場面で応用が出来るようになりますし、

碁の布石が楽しくなると思います。

 

動画で詳しく説明します。ご覧ください。

 

三々定石の動画はこちら☟

 https://youtu.be/ziqBZotWiXw 

 

 

 

柳時熏のGo(マウスから碁石へ)

僕は勉強したい対局がある時、必ず碁盤に碁石を並べます。
棋士でもパソコンだけで碁を並べる人もいますが、
僕は本物の碁石を持って並べる方が、より理解ができるような気がします。

実際、脳に詳しい方からお話を聞いた事がありますが、指先には凄い数の神経があり、石を置く動作が脳を鍛えるにも大事だということでした。

囲碁はスポーツのように筋肉を使うわけではありませんが、頭だけではなく、やはり全身の神経が指先に伝わってこそ、感覚的にも正しいと判断した手が打てると思います。

普段マウスをクリックするだけで石を置いていると、本物の碁石を使って対局する時に、頭で判断しても、手が伸びなかったり、
普段と違う動きに対する全身感覚の不安から、判断を鈍らせる事もあると思います。

僕は対局中、時間に追われたり、緊迫した盤面では、指先の感覚で打つ手を探している時もある気がします。

皆さんは、インターネットで対局や、観戦を楽しみながらも、
時々マウスを碁石に持ち替えて、勉強する事をおすすめします。