囲碁棋士 柳時熏のブログ

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柳時熏のGo  藤沢秀行名誉棋聖

先日行われた、本因坊戦挑戦手合第二局は、井山本因坊の勝ちでした。
井山本因坊の強さが良く現れた一局だったと思います。

長らく過密スゲージュルの中で戦い続けていた井山さんにとって自粛期間は、久々に休養し充電出来たのではないかと思いました。

一方、敗れた芝野名人ですが、若さですぐに立ち直ってくると思います。

三局目からの戦いに目が離せません。
なお、芝野名人は7月頃から、世界最大の団体戦、中国の甲級リーグに参戦が決まりました。
中国から世界の強豪をスカウトしてチーム構成を行いますが、芝野名人の実力を認めての指名なので是非頑張ってほしいと思います。

ようやく囲碁界も動き出しましたが、僕もこんなに長い休みは初めてで、色々な可能性を試す機会にもなりました。

ブログ、YouTubeなどの個人配信を行うきっかけにもなりましたし、Twitter、InstagramとSNSを始め、多くの方と知り合う事が出来ました。

現在のトップ棋士である芝野虎丸名人、河野臨九段もアカウントを作られ、ファンにとって嬉しい情報を発信してくれるようになりました。


多くの方に囲碁を知ってもらう、楽しんでもらう為に、色々なアプローチを行っていければと思います。


日本棋院の公式囲碁チャンネルでは、今後もタイトル戦を生で配信していきますので、是非利用してみてください。

僕も含め、個人でも配信する人が少し増えてきましたが、自分が好きな動画を作れるのが良さでもあり、難しくもあります。


僕もいつも皆さんに喜んでいただけるコンテンツを模索していますが、
今回は藤沢秀行名誉棋聖についての動画を製作しました。


弟子ではなく、直接教えて頂いた事はなかったのですが、いつも大きい影響を受けていました。
豪快な碁風で多くの棋士達に尊敬されていた先生と、真剣に囲碁の話をさせて頂いた話、
一局だけトーナメントで対局させていただいた思い出の碁をそれぞれ動画配信しました。是非、ご覧ください。

 

一度だけ碁の話をさせて頂いた思い出の話→https://youtu.be/UqnoJALviYc

1998年度王座戦本戦での対局の解説動画→https://youtu.be/PLzbO5UnYOs 

 

 

柳時熏のGo 坂田栄男二十三世本因坊

先日の本因坊戦第一局は、井山本因坊が大きい捨て石を成功させ、勝利しました。

いかにも井山さんらしい豪快な勝ち方でしたね。

敗れた芝野名人ですが、二局目はどう立て直してくるのか、楽しみですね。

両雄の今後の戦いから目が離せません。


昭和の時代でもタイトル戦で無敵の強さを見せ、多くの囲碁ファンを沸かしてくれた棋士が居ました。

坂田栄男二十三世本因坊です。

年間七冠王、タイトル獲得数64期、29連勝など数々の大記録を残された坂田先生は、
その鋭い感性と、深い読みで数々の名局を残されました。

日本囲碁界史上最強の棋士を選ぶ際、先生は必ず候補に挙がると思います。

 

僕は先生の現役時代に3度トーナメントで当たり、対局させていただきました。

対局したのは遥か昔のことですが、番を挟んで座っているだけで感じる威圧感、碁の強さは未だに忘れる事はありません。

 

坂田栄男先生に僕が21歳で五段の時、挑んた対局を現在の視線で振り返ってみました。

宜しければ、ご覧ください。

https://youtu.be/Adb17qPdWTM

柳時熏のGo 野外で囲碁講座

緊急事態宣言が解除され、囲碁の試合も6月から再開されることになりました。

囲碁界や、皆さんの生活が、また活気あふれるものになれば良いなと思います。

僕にとってもこんなに長いお休みは、棋士になって以来初めてのことでしたが、

余った時間とエネルギーを使い、SNSを始めたり、ブログ、youtubeなどを集中して育てることができました。

色々な囲碁動画を製作し、配信してみて、どういうコンテンツが皆さんに喜んでもらえるかを知る良い機会でした。
ファンの皆さんとお近づきになれた感じがして、とても嬉しいです。

応援してくださっている皆様、ありがとうございます。

これからも、有意義で楽しい情報を配信出来るように頑張っていきたいと思います。


この度、野外での囲碁講座を製作いたしました。

囲碁は難しいと常々感じていらっしゃる方は多いと思いますが、同時にとても楽しく優雅な遊びでもあります。
視聴者の皆さまが堅苦しさ、息苦しさを感じず、解放的な雰囲気のなかで、リラックスして学んでいただけたらと思い、製作しました。

まず初めに配信したのは、2020年最新の定石講座です。


昔から打たれている星定石も、AIの出現によって新しい手が編み出されながら進化を続けています。その最新の打ち方、考え方を僕なりにまとめてみました。
新しい打ち方も取り込んでいけば、囲碁がもっと楽しくなるのではないかと思います。

野外用の磁石大盤を自作したり、ぼくもとても楽しんで動画を作る事ができました。
簡潔で短く、気軽に学べる動画になっていると思います。
皆様のお役にたてたら嬉しいです。

是非ご覧ください。

星定石①小ゲイマがガリ講座→https://youtu.be/bpKV_gi9qdI 

星定石②一間低いバサミ講座→https://youtu.be/GAVowqiUzjw 

 

#囲碁 #柳時熏 #星定石 #囲碁講座

 

 

囲碁とネット配信③(大盤製作記)

 

テレビの囲碁番組では、対局を真上から映しながら、両対局者の表情を取りつつ、
別の部屋で解説者と聞き手が、磁石大盤を使い解説していくスタイルでの収録になっています。

テレビカメラが複数でスタッフも大勢居るので、観やすい放送が出来ますが

個人で配信する際には、このような事は出来ませんので、自分なりに工夫していく必要があります。

テレビやパソコンで碁盤を映すと、横長の画面なのて左右にスペースが空きます。

その空いたスペースに自分の姿を映しながら解説していくスタイルが囲碁、将棋等のボードゲームの実況では圧倒的に多いですね。

僕も初めはそういう方法を探しましたけど、デジタル碁盤で並べながら、解説していくのはかなり慣れが必要だと感じました。

そこで、まずは今までのテレビ局での収録と同じように大盤を使い解説する事にしました。

解説には磁石大盤がどうしても必要なので、ここは頑張って自作する事にしました。

ちょうど使わなくなったマグネットボードが有ったのでそれを使います。


マグネットボードに直接、線を引いても碁盤として使えなくはないですけど、
それでは寂しいので、何かお洒落に見せる方法はないかと考えてみました。

初めは、使い終わったカレンダーの紙に碁盤の線を描いて、それをマグネットボードに貼るという簡単な方法を試しました。

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カレンダーの紙を二枚張り合わせ、線を書いてからマグネットボードに貼った試作品。

紙のサイズに合わせて、線を書いたので、17×26路という面白いサイズになってしまいました。(笑)

当時、ニコちゃん囲碁問題しか配信していなかったので、これでも使えなくはなかったのですが、これでは味気ないですし、白い盤では見えにくいので、違う方法を模索しました。

家にあるものを何か使えないかと、いろいろと探してみつけたのが、壁紙です。

7年ほど前に家を建てた時、余った壁紙を使い道もなく眠らせていたので、それを試してみました。

マグネットボードサイズに紙をカットしてから、碁盤の線を鉛筆で下書きします。

 

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鉛筆で下書きした上に、油性ペンで仕上げます。

碁盤のマス目のサイズは、使う碁石のサイズにもよると思いますが、例えば30ミリの

碁石を使う場合、1ミリくらい大きめに31ミリくらいのマス目を作った方が、使いやすい気がします。

鉛筆の下書きの後、全てのマス目が均等に書かれている事を確認してから油性ペンで仕上げます。

真っ直ぐ線を描く為の道具はどんな物でも良いと思いますが、市販ではあんまり長い定規が売っていないので、対応出来るものならなんでも良いかと思います。

ちなみに僕が使っているのは90㎝の水平器です。

全部で38本の線を書き終わり、マグネットボードに貼りました。

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壁紙に線を引いてから、マグネットボードに貼った簡易碁盤。

カレンダーの紙より、はるかに質感がよくなりました。

ただ、磁石で壁紙を止めているのですっきりしないし、碁盤の中の色も付けた方が良いという事で、さらに改良を続けます。

碁盤の色は、絵具でなんとなく木目らしい雰囲気になるように妻が塗ってくれました。

壁紙一枚だけでは、接着力が強すぎて、磁石碁石を外すのがけっこう大変だったので、壁紙を2枚張って接着力を少し弱めておきました。

最後に額縁を取り付けて、完成!!

色々と試行錯誤しながら、最後に出来上がった磁石大盤がこちらになります↓

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ついに完成したYouTube収録用の磁石大盤です。

すでにこの大盤を使った解説動画は何本も収録して、配信させていただいていますが、

けっこう使い勝手は良くて気に入っています。

何より座ったまま解説出来るのが楽です。(笑)

そして先日、野外での収録を行う為の、磁石大盤の製作に取り掛かりました。

室内用の大盤は、壁に固定してあって動かす事が出来ませんので

新しく製作しました。

完成したのがこちらです。↓

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完成した大盤。つるバラと一緒に撮影してみました。

新しく製作した、外用大盤の作り方をなるべく簡単に説明した動画を作ってみました。

囲碁とは関係ない動画への初挑戦でしたが、楽しみながら収録出来ました。

興味のある方は、是非ご覧ください。^^

大盤の作り方→https://youtu.be/mT3UN8lyTtQ

 

#囲碁 #柳時熏のGo #碁盤 #DIY 

柳時熏のGo  個性豊かな大棋士達

僕が囲碁を覚えてプロを目指した中学生の頃、日本の碁は、世界最強でした。
院生になった頃から、囲碁年鑑でトッププロの対局をすべて並べていましたが、とにかく個性豊かな棋士がたくさん居ました。

坂田栄男、藤沢秀行、林海峰、大竹英雄、石田芳夫、武宮正樹、加藤正夫、趙治勲、小林光一先生など、碁を並べれば、それだけでどなたの碁なのかわかる程、皆さん個性豊かで、明確なご自身のスタイルを持っておられました。


棋風が正反対の棋士同士で戦うと、極端に面白い碁になる事も多かったですね。

武宮先生対趙治勲先生の対局では必ず、趙治勲先生が実利を取り、武宮先生が大きい模様を張る展開になります。

治勲先生が大きい模様の中に踏み込み、取るか取られるかの勝負になる事も多く、見ている人には、たまらなく面白い勝負が多かったのではないかと思います。

趙治勲先生の凌ぎの技は、普通の棋士に真似出来る物ではなく、
よくそんな苦しい石を生きられるなと、いつも感服しながら並べていました。

僕が院生の時に特に憧れていたのは、スケールの大きな宇宙流の武宮正樹先生、相手の大石を豪快に取ってしまうキラーというニックネームを持つ加藤正夫先生でした。

地を稼いで勝つというよりは、相手を攻めて勝つという碁に魅力を感じていたのだと思います。
どういう勝ち方に憧れるかということで、それぞれの棋風が決まってくるのではないかと思います。
プロになってからも僕の碁は攻めて勝つという碁を理想としていました。

個性の突出した大先生方との思い出の対局をこれからyoutubeで解説していきたいと思います。

今回、紹介する第51期本因坊戦挑戦手合い第2局では僕は、趙治勲当時本因坊の石を本気に取りに行く、全てをかけた一手を放ちました。

その対局を現在の僕の目線で解説してみました。

是非ご覧ください。

https://youtu.be/jyHduOAjoQg

 

柳時熏のGo (隅の打ち方マスター6)星編 ダイレクト三々

グーグル社が開発した囲碁AIアルファGOが、韓国のトッププロ棋士李世ドル九段と対局したのは2015年のことです。

その後中国の柯潔九段という世界最強の棋士に勝利をあげたアルファGOは人間との勝負は引退することを宣言し、AI同士で行われた強化学習の棋譜を数十局一般に公開してくれました。

公開された棋譜は、それまでの固定観念と大きく異なり

その棋譜から、プロ棋士達は新しい発想を得て、研究に取り組みはじめました。

固定観念を取りはらわれたことにより、囲碁の無限な可能性をあらためて気づかされた、囲碁の歴史に残る転換期となりました。

中でも一番の変化は星打ちに対して、すぐに三々に入り込む、いわゆるダイレクト三々ではないかと思います。

今となってはダイレクト三々は、カカリと並んで、星に対する
有力な打ち方としての地位を完全に確立しました。

僕が囲碁を習い始めた30年以上前から、その手は損だから打たない方が良いと習ってきた手でした。
アルファ碁が出現していなければ、その理論は変わるはずもなかったと思います。

アルファGO以降も、様々な企業が開発し進化を続けているAIを使って、僕も日々対局、研究を続けていますが、
今回初めてダイレクト三々に対する最新の打ち方を僕の視点で解説してみました。

宜しければご覧ください。

https://youtu.be/eJm7XpCAhFU

柳時熏のGo 誰でも楽しめるニコちゃんレベル8超大作

2月に始めたTwitterで、ぼくのフォロワーさん(僕が投稿すると見てくれる方達)が楽しんでくれるようにと始めたのがニコちゃん問題です。

ニコちゃん問題は普通の詰碁と違って、取る石(ニコちゃん)があらかじめ決まっているので​
目的が明確で、楽しく取り組めると思ったからです。​

Twitterで、フォロワーさん達が取り組んでくれる様子などをみて、嬉しくて次々問題を出していきました。​
色々なレベルの人が楽しめるようにと、レベル分けをして、やさしい問題からプロ級の問題まで出しました。​

やってみて初めて分かったことですが、アマチュアの皆さん向けの問題をメインに作っているのに​
視聴回数が上がるのは、かなり難しいプロ級問題のほうでした。​

始めは、視聴者のほとんどがプロなのでは?と思いましたが、アマチュアの皆さんからも、反応があることが分かりました。​
やさしい問題は、楽しめるのは初心者に限られます。​
でも難しい問題は、細かく紐解いていけば、初心者でも馴染みのある様々な手筋が含まれていて、解説次第で、楽しくお伝えできるのではと思い始めました。​

これから僕は、初心者向け、高段者向けという垣根をできるだけ無くして、レベルに関係なく、誰もが楽しめる問題をたくさん作っていきたいと思っています。


3週間ほど前にニコちゃん問題レベル8「頂点問題」を出題しました。
それまでレベル1~7まであったニコちゃん問題の更に上をいく超難問です。​
出題だけの動画は初めてでしたが、たくさんの方にご覧いただいて、とても嬉しかったです。

https://youtu.be/3DRNSXy2yIw

そして先日、解答動画を収録し、公開しました。
僕自身、この解答を楽しく、見やすい動画にしようといろいろと試行錯誤をして、大変勉強になりました。​
ステイホームの今だからこそ、経験したことのない、新しいチャレンジが出来たと思います。

あらゆるレベルの皆さんに楽しんで頂けたら幸いです。
​よろしければご覧ください。​

https://youtu.be/-IFzKcfp59c